佛跳牆(のようなもの)を作ってみた。
中国の高級スープ、佛跳牆。「ぶっちょうしょう」とか「フォーティャオチァン」と読むそうです。日本ではぶっとびスープという名称で呼ばれることもあり、その香りを嗅いだ修行僧が塀を飛び越える程の旨さというのがその名の由来だそうです。とにかく高級な食材を大量に入れて出汁をとる贅沢なスープで、1皿が数十万に及ぶこともあるらしい。
正月に台湾旅行に行った際夜市の一角で佛跳牆が売られており(1杯300円ぐらい)、美味しかったので一緒に行った友人と真似して作ってみることにしました。写真は台湾でたべた佛跳牆。
具体的に何から出来ているのかサッパリわからなかったので、インターネットの力を駆使。
http://japaorca.web.fc2.com/index.html(趣味友遊 マルチハンティング)
Wikipedia以外で参考にさせていただいたページです。参考と言いながら足下にも及びません。読み物としても食べ物としてもめちゃくちゃ面白いです。リンクNGだったらすみません。
読んで頂ければわかるのですが、サンショウウオ、ハクビシン、魚の浮袋、鹿のしっぽ、未知の貝…どこで手に入れるものなのか…。狩猟からはじめなければいけない。…そこはさくっと諦めて、雰囲気で代用?し誤魔化すことに決定。そもそも高級食材を買う資金もないので妥協は重要。ただ、やる気はそれなりにあるので、乾物類は神戸元町の中華街に行って調達したりもしました。
食材たちです。
干ししいたけ、干し海老、干し貝柱、きくらげ、たけのこ、うずら、銀杏、鶏手羽、豚ヒレ、豚足、豚軟骨、ハム。写真にはないですが乾燥棗とフグヒレも。30%引きの恩恵を受けましょう。
友人が前日に乾物を戻してくれましたが、きくらげが爆発的に膨らんでおり禍々しさがすごい。
そして干し海老は不気味。ハムは金華ハムの代用の気持ちですが、金華ハムを見たことがないのでコレは有りなのか。
鍋に全部入れます。紹興酒も入れてみます。きくらげのせいで鍋が邪悪。
7時間半煮ました。棗も真っ黒に染まり、鍋の見た目は完全に闇。おそるおそる具材を取り出します。
この3倍はあります。女2人で分け合う量ではないし、写真萎えがすさまじい。肉類が全て煮崩れて原型がない。
スープはなんだか透き通っています。塩しか入れていません。濃い色!香りが家中に充満している。修行僧がサボるのも納得。
具を出来る限り綺麗に取り出してみました。
これが…佛跳牆なのか…。正解かはわかりませんが、だいぶそれらしい気がしてきました。
かけた時間の甲斐だけあって味はめっちゃ美味しい。ただ、表現が難しい。今まで飲んだことのない味。肉の味もキノコの味も海鮮っぽい味も全部が一気にやってきます。旨みがえげつないスープ!かなり濃い。どの具材がスープとして一番仕事してるのかもがよく分からないので作ってなお具材の加減がわかりません。固形物?としてはきくらげの食感がトロットロでかなりハマります。山ほど戻して良かった。
大量に作ったのでスープと具を分けて冷蔵したら、翌日ゼリー状になっていました。3キロのゼリーとともに一週間過ごしたいと思います。